どうしてコメを作らなくなったのか?

しばらくぶりのブログです。
東ティモールに来て2年が過ぎました。
とにかく暑い、頭がボーっとしてきます。
ここマナツトでは、「お米づくりのお手伝い」
それでも年々減少する稲作農家に、ボーっとした頭が ますます真っ白になる毎日。
いったい、どうしてお米を作らないのだろうか????
などなど、思いながら 百聞は一見にしかず
とにかく田んぼを歩いてみた。
どうしてコメを作らなくなったのか?
東ティモール(人口100万人)、マナツト県(人口4万人)、マナツト郡(人口2万人)、マナツト市(8000人)
そして、街から東に3キロほど行ったところにある、クイバドン村 (人口不明) 
まぁ、見渡す限り家は無いから 数十人ってところでしょうか
どうしてコメを作らなくなったのか?
行ってみれば、田植えはしているじゃないですか
どうしてコメを作らなくなったのか?
10人のグループで約2㌶(1万平方メートルor 6000坪)の田んぼを仲良く耕しています。
田んぼは、水牛を使って耕し
昨年収穫した、種籾を使って苗床をつくり
ワイワイガヤガヤ、田植えをする。
毎年、3月頃には田植えをしているけど
田植えの時期は、川から「ちゃんと」水を得ることが出来た時に田植えの準備を始める。
特にクイバドン村は、灌漑用水路の末端部に近いので
上流の人たちが田んぼに水を入れないと、自分たちの田んぼに水が来ない
一生懸命、田植えの準備をしても
上流の人たちが田植えの準備で水を使うと下流部にまで十分に水が来ない。
誰が決めたわけではないが、「なんとなく田植えの時期はわかる」のである。
でも、田植えの時期を少しだけ間違うと・・・・・
ムシャムシャと水牛さんに稲を食べられてしまう。
どうしてコメを作らなくなったのか?
「今年は、これで2回も食われたぞぉ、はははは」
と陽気に語る、おっさん達に色々聞いてみた。
(勉強・勉強)
どうしてコメを作らなくなったのか?
グループの大将は、ドミンゴスさんと言い昔から
クイバドンでお米を作って来たそうだ。
「Bondia !! Diak Kalae? Ita boot Haro Saida???」
「はぁ、アホか(笑) 稲作してるに決まってるだろがwkwkwkwk」
・・・・いやー、どうしても木陰で酒を飲んでるようにしか見えなかったし
しかも、マジで酒(テゥアという地酒)飲んでるし(笑)
よく見れば、着替えもあるし、鍋釜ヤカン、火も起こしている。
あらら、小屋には蚊帳が吊ってあるじゃないか
あれれ、おっちゃん達ここに住んでるのね?
電気もテレビも水道もないし、なんたって飲み屋も無いじゃないの(笑)
「あはははは、大丈夫さ、テゥアがあるから」
やっぱり、飲んでるこのオヤジ達(笑)
ここに住んでいることは、おおよその見当はついたが
さてさて、もう少し疑問なところを、謎解きしてみよう。
1.なぜかキレイに手入れされた投網がある。
2.田んぼの周りにはきれいに並木が立ち並んでいる。
ちょっと視点を変えてみて、第三の目であたりを見渡してみると
どうしてコメを作らなくなったのか?
ん? ここには村があったんじゃないだろか?
おそらく、この村は町や道路が整備される前には
田んぼの周りに住んで、 いや家の周りを田んぼにして自給自足を営んでいたのではないだろうか
かんがいの下流=海に近い
投網漁もさることながら、塩田も持っていたのだろう
水牛は、村の周りで放牧し、夜には囲いに入れていたのだろう。
そうであれば、村の人々は家畜を飼育しながらコメを作り
たまには魚を取って食って’、味付けは塩の生活が成り立つ。
と、考えたところでオッチャンに話を聞いてみた。
そうよ、おらぁもうこの村に住んで5台目だぁ (って住んでないじゃん)
いったい、いつからなんだろうか
おそらく「マナツト」という「町」が出来た頃だろう
クイバドンの人たちは、道路や水や電気がある(来るであろう)町に次々に移り住んでしまった。
(たった数キロの距離だが)
今はマナツト市内でバラバラに住んでいる、元クイバドンに住んでいた幼馴染でグループになり
田んぼに仮設の小屋を作り、家族と離れてコメを作る
その理由は、置き去りにした水牛たちから自分たちの田んぼを守るため。
そして今、マナツトでコメを作ると言う事は
このおっさん達のような生活をしないと米が作れないことだ。
携帯電話でインターネットにアクセスし
「今、なにしてる?」とLINEやメッセンジャーなどのSNSを使って連絡を取り合う若者たち
それぞれに、改造したオートバイに乗り
アスファルトの道を走る少年たち
そんな、若者たちが
幼馴染だからと言って、お米を作る期間
電気も水道もない田んぼの真ん中の作業小屋で昼夜を共にするのだろうか?
どおりで、これだけ地域の大問題になっている「家畜(水牛)の被害」をまったく解決しようとしないこと
家畜の放し飼いが禁止され、処分される法律があるのに一回もその法律が適用されたことがないこと
そして、稲作農家がどんどん減っていること・・・・
米を作りたくない、のではなく、
今のやり方では、米を作る担い手がいなくなる。
ということなんだろうか
真昼間からドブロク飲んで、ワイワイ楽しそうにしているオヤジ達を見ながら
まぁ、これでもいいのかな
と納得してしまった。


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